絵本作家である宮西達也氏の人気のティラノサウルスシリーズ。
その1作目が2003年に出版された「おまえうまそうだな」で、こちらの本ではお父さんに間違えられた大きな恐竜と、赤ちゃん恐竜たちの疑似親子関係を通して、父と子の愛が描かれています。
舞台はむかしむかしの大昔。
山がドドド……と噴火して、その時生まれたのがアンキロサウルスの赤ちゃん。
だけどひろーいところに一人ぼっち。
とぼとぼ泣きながら歩いていると、出会ったのが……彼の何倍も何十倍も大きな大きなティラノサウルス!!
「ガォーー!ひひひひ、おまえうまそうだな」
大変、アンキロサウルスの赤ちゃん、ピンチです。
ところが、ティラノサウルスが飛びかかろうとしたその瞬間。
「おとうさーーん」
アンキロサウルスの赤ちゃんがティラノサウルスの足もとにしがみついたのです。
一体これはどういうこと…?
物語はここから急展開。
草食恐竜と肉食恐竜の思いもよらない二人のやり取りが始まっていくのです。
(Rakutenブックスの商品説明より引用)
ティラノサウルスシリーズは何度読んでも涙で声が詰まりそうになるのですが、シッター先のお母様とこの本の話題になった時に「私もそうなんです。自分が泣いてしまいます。」とおっしゃっていたので、同じような方は多いかもしれません。
なお、ティラノサウルスシリーズには、ティラノサウルスと同時代の恐竜しか出て来ないのだそうです。時代だけではなく生態にも気をつかって描いたそうで、宮西氏のティラノサウルスシリーズは、アメリカ、フランス、中国、韓国でも翻訳され各国で受け入れられているそうです。
力強いタッチの絵でユーモアがありながら、心温まる愛情に溢れた奥の深い絵本だと思います。