歴史に参加しているという意識
清水克衛(かつよし)著『5%の人 時代を変えていく、とっておきの人間力』の本の中で、次のような言葉と出会いました。
私はお店に来た若い人たちによく、「歴史に参加しているという意識をもっているかい?」って尋ねます。私たちが今こうして便利に生活できるのは、先人たちが努力をして、国の発展、技術の発展に努めてくれたおかげなのです。
私は普段、ペットボトルのお茶をよく飲みますが、これだって昔なら、自分で沸かしてお茶をいれて、水筒に入れなければなりませんでした。昔は遠く離れた人と連絡を取るのは大変でしたが、今では携帯電話がありますから、瞬時に世界中の人たちとコミュニケーションを取ることができます。
私たちが先人のおかげで便利で平和な生活ができるように、今の私たちの仕事が、これからを生きる人たちにとっての、平和や便利につながっていきます。これこそが、「歴史に参加している意識」です。
この本では、松下幸之助氏が、つまらなさそうに電球を磨いている工員に
君の電球はな、どこで光るか知ってるか?
たとえば子どもたちがな、絵本を読んでいたとする。外が暗くなると、家の中はもっと暗くなるわ。そしたらどんな物語も途中で絵本を閉じなあかん。あんたの電球1個あるだけで、子どもたちのドラマは続行や。
あんたは電球みがいてるのやないで。子どもたちの夢を磨いているのんや。子どもたちの笑い声が聞こえんか?
モノづくりはモノつくったらあかん。モノの先にある笑顔を想像できなかったら、モノをつくったらあかん
と語ったエピソードなども紹介されていました。
どんな職業の人でも、このような考え方を持って仕事をしたら、未来はますます良くなると思います。
その子の将来に想いをはせながらの保育
私はベビーシッターの仕事をする際、「この子たちがこれからの未来を作っていくんだなあ」と思いながら保育をしており、どの年齢のお子さんでも、人が生きていくうえで一番大切だといわれている自己肯定感を育めるよう努めています。
それは赤ちゃんの場合は、笑顔でたくさんスキンシップをしたりして「快」の感情を存分に味わってもらうこと。話せる年齢になったら、たくさん話を聞くこと。「がんばれ」よりも「がんばってるね」と相手のがんばりを認めて褒めること…。
「こういう風に接したら、将来この子はどのような子になるかな」と意識しながら、その子の将来に想いをはせながら子どもたちとの時間を過ごしています。
私はシッターの仕事をする際、たとえたった一度きりのご縁でも、その子の将来に少しでも貢献することができたらと願って保育させていただいています。(地方や外国から一時的に東京に来られた際などの、一度限りのご依頼もあります)
複数回お子さんを保育していくにつれて、だんだんとお子さんの表情が明るくなり、親御さんとの関係も改善されていく姿を見ることもあり、そんなときには特に「シッターの仕事をしていて本当に良かった」と感じます。
清水氏は前述のご著書の中で「私たちは日々、自分たちの仕事が多くの人たちの幸せにつながっていることを意識しながら、コツコツとたゆまぬ努力を続けていかなければいけません」と述べていますが、私もこれからも子どもたちの今と将来のために、コツコツと努力を続けていこうと思います。